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優雅なティータイムを楽しむ秋葉。及ばずながらと新作のシフォンを用意しお茶の相手をつとめる琥珀。志貴はゆっくりとレンと共にお昼寝をする。そんなありふれた日常の一コマ。まるで昨夜の悪夢が本当になかったかのようだ。
したがって、これは有り得たかもしれないもう一つの可能性の夢である。
「我が大義――完成せり」
「かつて、私は失敗しました……泥棒ネコを皆殺しにし、遠野家長男の自覚と誇りを持っていただけたら、私の大義“遠野志貴”は帰ってくると考えました」
「ですがそれは不足でした。私の想いは儚くも潰えました……」
「今度は違う。今度は完璧です」
「何故なら――集え、“我ら”よ!!」
「想いのために! 遠野秋葉マリポーサ見参!!」
「遠野のために! 遠野秋葉ソルジャー、まかり通る!!」
「遠野家当主万歳! 遠野秋葉ゼブラァァァァァァァ!!」
「遠野よ永遠なれ! 遠野秋葉ビッグボディィィッッ!!」
「遠野家長女の理想(ゆめ)よ再び! 遠野秋葉スーパーフェニックスッッッ!!」
「そう、私たちは遠野秋葉。私たちは全員が遠野志貴に永遠の愛を捧げる遠野秋葉!」
「平行世界からやってきた、私ではない私……まだです。まだいくらでもいます。この宇宙に私は無数にいます!」
「私よ集いなさい! 新たな遠野の礎となるために!」
「私は思いと共にある限り不滅! 従って、私を集めて創った遠野もまた不滅!」
「私の遠野は遂に永遠のものとなるのです! さあ、数多の世界から来たれ私!!」
秋葉の叫びが宇宙を割る。
――そして、それはやって来た。
遠野秋葉だ!
無限/無量/無窮の宇宙の彼方より来た、無限/無尽/無垢の遠野秋葉だ。
世界の全てを埋め尽くす、遠野秋葉の大軍勢だ。
生まれたばかりの、赤ん坊の遠野秋葉がいた。
激戦の数々をくぐり抜けた、古強者の遠野秋葉がいた。
今だ生まれていない受精卵状態の遠野秋葉がいた。
切り裂かれ、最後の臓物をぶち撒けている遠野秋葉がいた。
別の時間軸の遠野秋葉がいた。
レシピを書く遠野秋葉がいた。
料理を作る遠野秋葉がいた。
シエルに向かって「あなたのカレーは嫌いだ」と言う遠野秋葉がいた。
性別の違う遠野秋葉がいた。
ヒトの形をしていない遠野秋葉がいた。
そもそも哺乳類じゃない遠野秋葉がいた。
鋼鉄の肉体を持つ遠野秋葉がいた。
巨大な遠野秋葉がいた。
小型の遠野秋葉がいた。
獣の形の遠野秋葉がいた。
形すら無い遠野秋葉がいた。
液体の遠野秋葉がいた。
気体の遠野秋葉がいた。
電離体の遠野秋葉がいた。
幽体の遠野秋葉がいた。
更に――――
「氷の弁護士遠野秋葉!」
「甘い口付け遠野秋葉!」
「生徒会長遠野秋葉!」
「孫権の妹遠野秋葉!」
「ブラコンメイド遠野秋葉!」
「ネコミミツインテール遠野秋葉!」
「サボテンがよくばりなツインテール遠野秋葉!」
「神界と魔界が共同でつくったツインテール遠野秋葉!」
「曲芸ツインテール遠野秋葉!」
「曲芸ツインテール遠野秋葉ホワイトシーズン!」
「曲芸ツインテール遠野秋葉感謝ぱっく!」
「曲芸ツインテール遠野秋葉プラスシチュエーション!」
「曲芸ツインテール遠野秋葉プラスコミュニケーション!」
「曲芸ツインテール遠野秋葉サマーバケーション!」
「曲芸ツインテール遠野秋葉フォーシーズンズ!」
「曲芸ツインテール遠野秋葉プラスコミュニケーション感謝ぱっく!」
秋葉!
秋葉!!
遠野秋葉!!!
秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉秋葉そして秋葉!!!!
不死の忠臣はここに集う!
想いのために今こそ集う!
もはや秋葉は永遠不滅!
未来永劫美しく在り続けるだろう!
大・義・完・成
完
「琥珀さん何なんですかこのネロ・カオスやネコアルク・カオスにコスモス(秩序)の名がふさわしくなってくるほどの混沌っぷりはーっ!!」
「あらー、秋葉さまが行うとここまで混沌になるんですねー。せっかくだから俺はあの紅い秋葉さまを選ぶぜー」
「……まさか琥珀さんの仕業ではないですよね?」
「そんな眼鏡外してナイフ構えて殺気出しまくらないくださいよー。これは秋葉さまが自発的に行った事なんですから」
「秋葉が自発的に? ――どうやったらそんな状況に陥るんですか」
「それでは雷電琥珀が教えちゃいますね」
「いや、小ネタはいいですから」
「嫉妬です」
「は?」
「ですから嫉妬です」
「いや、だからそれって一体……」
「絶望した! 珠瀬壬姫や霧夜エリカや芳乃さくらが呼ばれているのに遠野秋葉が呼ばれていないロワイヤルに絶望したーっ……みたいなところでしょうか」
「………………いや、当然じゃない? だって、違うじゃないか」
「いいえ、同じです(キッパリ)」
「いやでもさ、一応そういうことに――」
「いいですか志貴さん。原作が18禁ゲーなのは私たちとて同じ事(原作に声を当てられていない私たちとは事情が違いますが)、ですがこのゲームはメルブラ同様に健全ゲームです。それにマヴラブやSHUFFLE!の健全Verでは秋葉さまと全く同じなんですよ!」
「だからってそこまで目くじらたてなくても――」
「甘いですっ! どれぐらい甘いかというとレンさんのラストアークで落っこちてくるケーキよりテラアマイですよ!」
「い……一京倍……?」
「TYPE-MOONとNitro+はもはや切っても切り離せぬ関係! 何しろ虚淵玄さんときのこさんの関係は良好。その証拠にセイバーさんがゲスト出演しているんですよ。音声こそ無いものの大河&イリヤのコンビも出演しているのですから。ならば秋葉さまの友情出演があってしかるべき――っ! ……ほら、おかしいでしょう?」
「……確かに」
「納得していただいて俺は猛烈に感動しているっ!」
「だからってこの状況はどう考えてもおかしいと思いますけれども。何か打開策はあるんですか? (数多の秋葉をちら見して顔を真っ青にしながら苦笑いしつつ)」
「こんな事もあろうかと、素敵なご老人より秘密兵器を持ってまいりました(どこから出したのかは不明だが、明らかにアニメで見る魔法少女のステッキを差し出す)」
「――なぁにこれ?」
「女性限定だった魔術礼装を改良してもらい、男性でも起動できるようにしたマークつーです。秋葉さまが第二魔法で平行世界のご自身を召喚なさるなら、志貴さまも第二魔法で平行世界のご自身を利用してくださいまし」
「こんな事もあろうかとって、できるならその老人本人が対処して欲しかったんだけどなぁ」
「この状況を知る事が出来たからこそばっくれたんでしょう(キッパリ)」
「――分かりましたよ(魂が抜けるほど深いため息をつきつつ)。スーパーマンな遠野志貴もいますし、何とかなるでしょう」
「彼も相当な朴念仁ですし志貴さまとは共通点も多いですが、わたしは別の可能性に期待してますよ」
「……別の可能性?」
「はい。生徒会長遠野秋葉をおとした普通すぎる遠野志貴、幼馴染セイバーをおとした忘却されゆく遠野志貴、病弱清楚なアルクェイドをおとした立派なお兄ちゃん遠野志貴には特に期待しています」
「そっち方面かーっ!」
「それに志貴さまが合わさるんですから無敵ですよね(満面の笑顔で)」
「ゴッド……俺何かしましたか?」
当然未完っ!
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