幻橙英雄

第2話・騎士王@


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 一秒どころかコンマ一秒ぐらいだったかもしれない。再び互いの剣がぶつかる。
真上から頭蓋に、真横から腹に、時にはももに、腕に、手首に、首に。
一撃で敵を戦闘不能にできる攻撃が幾度となく応酬される。

時計塔で学びし私は幾度となく人間離れした奴らを見てきたものだ。
が、正直彼らに比べると間違いなく児戯の言葉すら不相応だ。
膨大な魔力をそれこそ大砲を連射するように敵に叩きつける。
時には一撃を見舞うための手段として、時にはそれを防ぐための手段として。

 普通のものが見たら間違いなくただ何も出来ないでいるだろう。
そんな私は、ただその戦いに心を奪われていた。

これが人類の歴史において最上位に立つもの、英雄の戦いか、と。

互いの戦法は似通っていた。
膨大な魔力を込めた剣で敵を叩きつけるように攻撃する。
…意識してみていると、魔力の量は若干ランサーの方が上だ。キャスターにもなれたと豪語しているのだから、セイバーより上でも不思議ではない。
いや、魔力の量からするとセイバーだって私なんぞよりはるかに多いがね。
腕力に関してはセイバーの方が上のようだ。つまり、総合的には互角だろう。
ランサーにとっては不可視の剣だろうと、手首と腕など他の動きや魔力の流れで感じ取れるのか、それを全く感じさせない。

「…まずいな」
だが、始め互角だった戦いは徐々にランサーが追いつめられていく。
技術で言うなら、多分両者は互角、または若干セイバーの方が上か。戦闘に関しては素人だから何とも言えんが。
が、確実にセイバーの方が強かった。それはランサーも分かっているようだが、なぜかその表情に揺るぎはなかった。

「ふっ!」
一閃と同時にランサーはセイバーと間合いを離した。
セイバーもランサーを追おうとせず、間合いを離したままだ。

「やはり技量ではセイバーであるおまえの方が上か。俺もセイバーならおまえともっと戦えただろうが」
「イフを話すより、今の心配をしたらどうです?」
ランサーは全く余裕を崩していないし、セイバーはただ淡々と事実を言っているようだ。
なるほど、技術だけでなく、クラスも関係あったか。
いくら生前セイバーと互角であっても、ランサーとして召喚されたからには突く以外の剣は技術が低下しているに違いない。
だが実力が上のセイバーなのに、余裕が崩れていないのは何でだ?

「ふ、違いないな。なら…」
と、ランサーは剣を再び構える。さっきと同じだ。

「戦法を変えさせてもらおうか」
「こい。受けてたとう」
と、再びランサーは飛び出した。
再び膨大な魔力が激突する。

「ん…?」
一見すると先ほどと同じ展開。が、私には一目で違いが分かった。
すなわち、ランサーは先ほどよりも魔力量を少なくしている。
一体なぜ…?

「草よ、水よ、風よ、光よ、そして数多ある生命の欠片よ。我はそなたらに願う。ひとしずくの息吹により、光明を得んことを」
と、激音のなか、ランサーはこうつぶやいている。
これは…魔術の詠唱か!
が、はっきり言ってしまえば、遅い。あれではせいぜい今代の中堅魔術師程度でしかない。
あれでキャスターとは笑わせる…と自分のサーヴァントながら思ってしまった。
まあ、あれだけの戦闘を行なっている間にそれをこなしているだけで優れてはいるがね。

だがそれは詠唱のうまさの話。
集められる魔力はそれにあまりあるものだった。

「迷える魂に救いあれ! アーメン!」
と、魔術で書かれた陣がランサーとセイバーの下に現れ、瞬間的にランサーは後ろに飛ぶ。
それをセイバーはほぼ同じタイミングで追う。


「Exorcisme !」


次の瞬間、紅い炎が魔法の陣から吹き上がる。
火炎放射器などでは話にならない。火山の噴火でもそれは表現できない。
それは、精神の炎だった。

「……キャスターになれると豪語できるはずだ」
思わず私はつぶやく。

 教会と異端との戦いは既に20世紀にもわたって行なわれている。
相手は人間、すなわち異教徒である事が多々あるが、実際は人外を相手する事だって多々ある。
で、その場合どうするかというと、人類は魔術を使うか概念武装を使う事で対抗してきた。
が、教会は魔術を異端として扱わないので概念武装でしか対抗は不可能だ。もちろんそんなので対抗できないものなどざらにいるわけで。

そこで教会が裏で編み出したのが独自の魔術、正式名称は表向きに教会はこれを認めていないが、たしか洗礼詠唱だったはず。
一般的に言うなら悪魔払いや結界などに優れている。詠唱も聖書の引用や三位(さんみ)への懇願が多い。
ちなみにこの悪魔払い、使用するにはいちいち教会の許可が必要とくる。人外やこの術でも許容範囲ぎりぎりなのだ。

そうはなっても、実際は概念武装の方がお手軽だ。実際は威力が確かに高いが、はしょる事が難しい。ようはやたらと詠唱に時間がかかる。
しかも魔術回路があってわざわざ教会に来るバカもいないので、聖典を超える術の使い手など二千年の歴史の間でも指を折る程度しかいまい。
現代では間違いなく存在はしているが、そこまですごいものではない。

だが、目の前にいるランサーは間違いなくその術の使い手で、その指を折る人物のうち1人だ。
もしかしたら聖人扱いでもされてんじゃないか? と思わず思うぐらいだ。

「……キャスターなら省略も効くのだが……ランサーではこれが限界か。これでは実戦には不向きだな」
当のランサーはそんなご不満を言ってくださる。
それでも満足いかないとはね。一流の魔術師とてこれほどの威力は出せないだろうに。

「精神を焼き尽くす炎だろう? これは」
このたぐいの術は私は初見なので自身が全くないが、そう聞いてみる。

「そうだな。これは…」
と、瞬間的にランサーは剣を振りあげた。
その瞬間、金属音が響きわたる。

「な…っ!」
思わず私は驚愕の声を漏らした。

あれはサーヴァント風に言うならA並の威力だったはずだ。Aの威力を簡単に出せる魔術師なんぞ現代でははっきり言って少ない。
だが、セイバーはそれを何の苦もなく突破し、ランサーに攻撃をしかけたのだ。
しかも、全くの無傷。

あの術は精神や魂に直接攻撃をしかけるもので物理世界に干渉するのには全く向いてない。対悪魔用のものなのだから。
だが霊体であるサーヴァントには絶大な威力を発揮するはずだ。
というのに無傷。対魔力が最低でもAはあるという事か。

「……キャスターが最弱と言われるわけだ」
これでは私の腕ではせいぜいランサーの強化は行なえてもセイバーの弱体化はまず無理だろう。
思わずため息してしまった。

「まさかあの威力の術で無傷とはな!」
「キャスターになれると言っていただけはあるが、それでは私は倒せない」
ぎりぎり、と剣が軋む音が聞こえる気がする。
今度はランサーとセイバーは互いに打ち合おうとせず、剣と剣をあわせたままだ。
日本風に言うならつばぜり合いというやつか。

ランサーはあれだけの大規模な術で無傷にされているのに表情に変わりはない。いや、むしろ心が高鳴っている感じだ。
対するセイバーはあくまで余裕の表情はない。どんな相手でも全力で叩く意思表示のように。

「ランサー、そろそろ槍を出したらどうだ。剣では役不足だろう」
「さあな。セイバーが相手では槍を出したところでそう簡単に状況が変わるとは思えないがな…!」
ランサーは力任せにセイバーの剣をはらい、構えをとる。
が、それは片手持ちだった。もう片方は何も持っていない。
いや、何かを持っているしぐさはするが、魔力の感じからすると何も持っていないのだろう。

片手で行うメリットはないに等しい。
何しろもう一本の剣もなければ盾もないのだから。
なのになぜ…?

 ランサーが不敵に笑うと、空気が一変する。

「ではこの一撃を食らえ」

「……!?」
彼の剣を覆う魔力の質が、明らかに変わった。
あれは、間違いなく必殺の一撃たる威力をもつものだ。

「……」
セイバーもそれを感じ取ったのだろう。雰囲気が一変した。
若干スタンスも大また気味になったし、剣先も攻撃に備えて少し高くなっている。

「ふっ!」
一呼吸置き、ランサーは飛び出した。
そして剣を振り下ろし、宝具を解き放……

「む?」
たなかった。ただの剣撃だ。
セイバーもそれには驚いたようで、表情がわずかに変わる。
先ほどと同じように剣の舞が始まった。いくら魔力が変わったと言ってもセイバー有利に変わりはない。
しかも片手な分、それも顕著に現れていた。

「う……!?」
そして、とうとうランサーの体勢が崩れる。
当然その隙をセイバーが逃すはずもない。

 その時、私はどうしようか迷った。
令呪を使って強制的に数メートル移動させるべきだ。体勢が悪く、間違いなく不利なのだから。
が、ああ言ったからにはランサーには確固たる自信があるのだろう。だから私は手を出すべきではない。
結果、私は後者を取る事にした。

「な……!」
結果、笑ったのはランサーの方だった。
ランサーが右手に取り出したのは宝具でも何でもないナイフのようなもの。
それはセイバーの一撃だけで粉々に砕ける。
本来ならセイバーは更に追撃をし、ランサーの左手からの攻撃を叩き潰すだろう。
普通の攻撃なら。


神聖なる絶世の名剣デュランダル!」


線状の光がセイバーを貫通し、走った。

思わず息を呑む。
セイバーの先のアスファルトでできている道路が数十メートルにわたって斬られていた。
当のセイバーの鎧もまた斬られ、鮮血がにじみ出る。

「ぐ……!」
だが、それでも踏みとどまるセイバーの足は力強かった。
傷は抑えているが、剣を持つ手もその視線も鋭さを失っていない。

「さすがだな。その不可視をつかさどる風でとっさに防御したか。そこまで高い威力でもないしな」
高い威力でもないだと…? これでか?
宝具は自身の象徴。カールはデュランダルを帝からもらったのだからなおさら自身があってもおかしくなかったはずだ。
なのになぜこれほどまで平然としているんだ?

セイバーは再び力強く構えをとる。

「デュランダル! それでは貴方は……!」
「まあ、パラディン(聖堂騎士)の1人だな。ローランかどうかは別にどうでもいい事だ」
と、ランサーはまた構えをとった。先ほどと同じ、宝具を使う時のものだ。

「これはわりと連発が可能でね。おまえも宝具を使ったらどうだ?」
わずかに笑みを浮かべてランサーはこう述べた。
「宝具を使わねば死ぬのは貴公だぞ」とでも言わんばかりに。

「宝具など使わなくても、あなたには勝てます」
対するセイバーはそう断言した。
それはそうだろう。技量ではセイバーの方が上なのだから、不意さえ取られなければ直線的なデュランダルをかわす事も可能だ。
本来ならばな。

おそらく対魔力があってもその対象に有利になるように働く、例えばルーン魔術での強化などは受け付けるはずだ。
……いくら魔術師相手にすぐれていても自身の強化を阻害されるのでは全く意味がないのだから。
だから結論から言えば私がランサーの強化をほどこせばわずかにセイバーを上回るはずだ。
令呪での強化をしなくても。

……問題は、ランサーが騎士だということだ。
セイバーも騎士である以上これは殺し合いより上の、一対一の決闘の意味合いが強いかもしれない。
少なくともランサーがこれをどう思っているのか…。

「……」
だが肝心のランサーは構えの動作から全く動こうとしてない。
それどころか表情も憮然としたものに変わっていた。

「……残念」
「は?」
ランサーのつぶやきに思わず声がもれてしまう。
ランサーの表情は憮然ではなくなっていたが、相変わらず不満そうだ。

「もっと後の戦いであれば手の内を全てさらけだして戦ったのだが……どうやら俺たちの戦いが初戦のようだからな」
「それがどうしたのです。戦いであれば……」
「お互いに手の内を隠したままで戦えば確かに俺の方が負けるだろうな……」
あっさりと私が思っていた事を認めるランサー。
まだ勝敗も決まっていないのに、負けを認めるのか。

「ではおとなしく……」
「すると思うか?」
だが、次にはランサーはまた笑みを浮かべていた。
そしてランサーはこちらの方を向いてきた。

「……そうか」
そのランサーを見て私も彼と同じように笑みを浮かべる。
なるほど、私の考えていた事は全て杞憂だったか。

「セイバー、残念ながら勝つのは私たちだぞ」
くく、と思わず私は笑いながら断言してやる。
セイバーはこちらの方を睨みつけてきた。

「この様子だとおまえさんとマスターは別行動らしいな。単独行動に不向きなセイバーがご苦労だがね」
そう、セイバーのマスターは全くしてこない。
こちらもそれにそなえて警戒を怠らなかったが、その様子は全くなかった。
よほど有能な執行者なのか、アサシンのマスターでもありセイバーはオトリなのか。それともただの偵察が戦闘の目的なのか。

「何が言いたいのですか、メイガス」
「つまり、こう言う事だ」
私はそういうと煙草で文字を書きだした。
当然の事ながら、ルーン魔術である。
対象はランサー。やったのは防護と戦士のルーン。ようは補助用だ。

「これは……?」
「ルーン魔術は私の得意分野でね」
手を開閉するランサーは思わず笑みをこぼす。

「やはり俺の考えに狂いはなかったか。マスターは優秀だな」
「どうも」
返事もそこそこに、私はセイバーを見つめる。

「さて、勝負は決まった。おとなしく脱落しろセイバー」
この見解に間違いはあるまい。

セイバーはランサーを間違いなく押していた。それは先ほどの戦いで明らか。が、それはこちらの補助がなければの話だ。
私にはルーンもあれば令呪もある。バイクに乗るために切り札の入ったトランクを忘れたのは迂闊だったが、このさいどうでもいい。
つまり、総合的に勝つのはランサーと私という事になる。

 問題は他のサーヴァントが割り込みをしてくる事だが、ランサーが反応しないのであればサーヴァントは近くにはいまい。
それに魔術師ならランサーにはおろか私にだって分かるようなものだ。

「……」
セイバーは表情が険しくなるが、退却の文字は全くないようだ。さすがは騎士と言った所か。
まあいい、これで終わりだ。

「しっ!」
ランサーが飛び出す。
先ほどよりも加速をつけ、先ほどよりも早い剣技で。

ちょうどランサーとセイバーの立ち位置の中間付近で剣が交錯する。
剣と剣との金属音だけでなく、魔力と魔力のぶつかり合いによって激しい音が生じる。
ランサーとセイバーの剣の技術は互角にまでなっていた。

だがルーンと言えども制限時間はある。
ランサーほどの実力者に効果を現すには直接書き込む必要があるから剣でのぶつかり合いのさなかに行うのは不可能。
短期で決着をつけてほしい。

敵の剣が不可視であろうとも、
同じ剣士、騎士でありながらランサーとセイバーのクラスの差があろうとも、
私のランサーは一歩もセイバーに引けをとってはいない。

ランサーは片手に構えを変えた時から攻撃の瞬間には両手を用いる事もあり、敵を翻弄している。
さっきの宝具を見て分かったが、デュランダルの真名発揮は敵に悟られにくい。
同じ体勢から宝具と通常攻撃を使われ、かつその見分けになる魔力の流れも違いは少ないのであればやりにくいのは当たり前だろうか。

「おおっ!」
それでも敵はセイバー、最高のサーヴァント。
何の援護もなしに1人で私たちと戦いをしている。
これこそが英雄か。

 英雄、それは数多の戦場を駆け抜け、多くの命を救うか殺すか、あるいはその両方を成し遂げ人々の信仰を得た存在。
ならば英雄と英雄の戦いは本来ならありえない。
負ける事で英雄としての地位を失うのだろうから……。

だから、目の前で行われているのは、神代でしかありえないものだ。
英雄と英雄が己の存在、生き様、その全てをかけて戦うのだから。
戦いの協奏曲、私はそれを目撃している。

これだけでもこの命を懸けた戦いに参加した甲斐があったものだ……。

剣同士がぶつかり合う音が響き、何度目かは分からないがランサーとセイバーの間合いが離れた。
これでまた二人が飛び出し、剣の舞いが……。

「む?」
始まらなかった。
逆にセイバーはバックステップで間合いを離そうとしている。

それを期と悟ったのか、ランサーも間合いを縮めようとせず構えに戻った。
今度は動作の無駄が一切なく、そのまま剣を振り切る。


神聖なる絶世の名剣デュランダル!」


閃光がまた走る。
音速も超えたかのように思えたその線は、

セイバーによってぎりぎりにかわされた。

「む?」
「な……!」
タイミングは完璧だった。

どのようによけようとも必ずや腕か脚は切断できるだろう方向、速さで宝具の攻撃は進んでいった。
だがセイバーはそれをかわした。
これが意味するのは…。

「直感……?」
ランサーはセイバーがよける動作に入る事も計算に入れて放ったように見えた。
それをセイバーは直感によって更によけたのだ。
なんて恐ろしいまでのものだ。未来を予知しているのではないかと錯覚するほどだ。

そしてランサーの一瞬の硬直を利用し、セイバーは剣をランサーの方に向けた。
正眼、今で言うなら中段の構え。
先ほどまでと同じ構えだが、剣がまとう魔力が明らかに違った。

「――いいだろうランサー」
透き通るような声。
それでささやかれるだけで安心してしまうだろうその声は、今回は全くの逆を意味した。

「――受けるがいい!」
剣がまとっているのは魔力。だと思っていた。
だが実際は違った。

あれは、風だ。
ただのそよ風でも、つむじ風でもない。ましてや台風やハリケーンで代表される嵐、トルネードのようなただ馬鹿みたいに強いものでもない。

言うなら、神風。
それが一気に解き放たれた。

「ぐ……!」
なんて威力……!
遠く離れている私でも立っている事ができそうにないぐらいの強力な風が発生していた。
思わず身をかがめる。

「――受けて立つ!」
そんな神が起こしたかとも錯覚させられる暴風の中で、
ランサーは気丈に立っていた。

彼の右手には絶世の名剣デュランダル。左手は空。
その左手を振り上げ、振り下ろ――。


瞬間、何らかの重みを感じて、直後に衝撃音が響く。


「!?」
この手ごたえ、まさか…。

私が立っている位置から数メートル、そこには穴が開いていた。
大きく見積もってもせいぜい直径3センチ。だがそれはとてつもなく深い。
これが意味するものはただ一つ。

遠距離からの狙撃。

現代兵器で攻撃してきた場合を万一に考えてアルジズでの全身防御、エイワズでの回避のルーンを身体に刻んでおいた。
こうすればたとえ拳銃で撃たれようとも、ライフルで狙撃されようとも弾丸をある程度そらせられるし、致命傷にも至りにくい。
魔術要素の攻撃なら感じ取れるが、兵器での攻撃を感じ取る事は戦闘者ではないのでできないからな。
結果は上々だったようだ。

犯人はおおよそ見当がついている。
こんなところで私を遠距離からの狙撃で殺そうとしている人物は考えられる限りただ1人だけだ。

私は視線を狙撃したであろう場所の方に向けて、目を凝らす。
そして私は高層ビルの屋上に人を見つけた。

あいつが、セイバーのマスターか。

 そこにいたのはぼさぼさの髪、無精髭、ロングコートの男。お世辞にも身だしなみを整えたなどとバカな事を言えたものではない。
銃には詳しくないが、使ったのはアサルトライフル……いや、ボルトアクションライフルか。
だが私が一番驚いたのはそのまとう空気、執行者が持つようなそれ、でもこの場において緊張感に欠けるしぐさでもない。

 こいつの目は一体何なんだ?
そう、まるで理想のために大切な何かを捨ててきたような感じだ。
……もっともちょっと見ただけだからえらそうな事は言えんが。
まあ、つまりこいつはれっきとした魔術師だという事だ。

かと言ってライフルの弾ごときではルーンの保護を突破する事は不可能だ。
全て軌道がそれてあさっての方向に……。

「……待てよ?」
エイワズによって弾丸はそらされた。それは事実。
だが入射角から考えるとあの位置に弾があるのはおかしい。

エイワズの効果は私を中心として球方向に拡散している。
一度変えられた軌道は元には戻らないはずだから、高さが関係する縦方向はともかく横方向に1メートル以内の誤差しかないのはおかしい。
まるでほんの少ししか軌道をかえられなかったみたいじゃないか。

いくら音速を超えるライフルの弾とはいえ、ここまで軌道をかえられないはずがない。
だとすると、もしかしたら普通のライフルではない?

第二撃が来る。
今度もまたエイワズの効果で弾丸は私の横をそれ……。

「!?」
いや、弾丸は私の頬をかすっていた。
まさか、銃という武器が変わらない以上速度も変わらないはず。
だと言うのに先ほどよりも軌道をそらせられない、つまり弾丸は先ほどよりも速い。

 魔術での付加効果でもつけたか。
電磁力を使ったレールガンか、それとも……。

いや、今はそんな事を言っていられる場合じゃあない。
敵が私の防御を貫通させてくるのはもはや時間の問題。
一刻も早くこの場を逃れなければ。
と、第一撃より数秒で判断する。

「ランサー! この場を離脱するぞ!」
いくらなんでも遠距離からの狙撃に対処できる装備が今はない。
あのトランクでも持ってきていれば状況は全く違っただろうに……。

ランサーも狙撃には気づいたようで、うなづいてくれた。
結局左手で何をしようとしていたのかは分からないままだけれども。

私は足にエワズのルーン、ようは動きを表すものでスピードアップを行うのをかける。
そして、走った。ランサーも全く同時に走り出す。
走るスピードは先ほどのセイバーに勝るとも劣らないものだ。

マスターはビルの屋上にいるから追跡は不可能。遮蔽物に隠れれば狙撃は不可能だ。
セイバーも確かに速いが彼女1人ならランサーと私でどうにかできる……はずだ。
目指すは、ビルの合間にある裏通り。

本来ならばかなりの秒数がかかるだろうその行程をわずか3秒で成し遂げ……。

「え……?」
気がついたときは私は地面を転がっていた。
足に攻撃を受けたのではない。胸が焼けるように熱くなっているだけだ。

「あ……」
起こった事は全くもって単純明快。


私は心臓を撃たれていた。


 転んだのは急に力が入らなくなったせいだろう。
なんて事だ。ルーン文字が刻まれた位置から球状に物体の軌道を曲げるように仕掛けておいた事が裏目に出るなんて。
つまり、球とは垂直に入射するよううまく放ってきた。これでは減速ができてもかわす事はできない。

その間に遅れた数秒をセイバーは一瞬で取り戻し、ランサーに攻撃をしかけている。

「トーコ!」
セイバーの攻撃に対処しながらもランサーは叫び声をあげた。
意識もかすむ中でベルカナとアルジスのルーンを書き込み、何とか持たせなければ。
とにかく最優先はこの穴の開いた心臓をどうにかする事だ。

「ぐ……!」
だがそれもできなかった。更なる追撃の弾が体のいたるところを貫いていく。
両方の肺に腸、それから……いや、どっちにしてもだめだな。致命傷が多すぎる。
私の体はそのまま仰向けになって地面にくずれおちた。生暖かい血が辺りをおおう。

 時間をかければ私にも治せるかもしれないが、今は確実に無理。
ランサーにしたってセイバーの相手で手一杯だろう。魔術で私を治す暇などない。
つまり、チェックメイトか……。

「ランサー、貴方のマスターは倒れた。貴方が潔く降りるならば私も彼女を殺す事はしない」
「ぐ……!」
つばぜり合いをするなかでランサーの表情がゆがむのをかろうじて見て取れる。

ルーンの効果はもうきれているからランサーがセイバーと互角に戦う事は多分できないだろう。
しかもセイバーには敵マスターもいる。ランサーが勝てるとは思えない。
だからと言って私をかかえて脱出する事をセイバーは許すはずもない。

 甘かった。
ランサーを召喚した時点でこの戦いに巻き込まれているのだから、準備は万全にすべきだったのだ。
全ては私のミスだろう。

 だが私というマスターがいなくても、ランサーならば新たなマスターと契約すれば勝ち残る可能性は十分ある。
彼らだって聖杯を求めてこの戦いに参加したのだから、わざわざ死にぞこないのマスターを救うために剣を放ったりは……。

「……分かった。ならば貴公のマスターにもそれを伝えてほしい」
は?
今こいつはなんと言った?

「だがその言葉が真実との証明は?」
「それは私たちを信じてもらうしかないな」
ランサーはセイバーの前に自らの剣を突き刺す。
これで丸腰。何の抵抗もできない状態になってしまった。

「……なぜそうまであっさりと引き下がる。貴方ならば逃げる事はできるはずだが」
セイバーもランサーのあまりのあっけなさにそう語る。
だがランサーは、

「俺を召喚した彼女は死ぬには惜しい。ただそれだけの事だ」
さも当然のごとくこう断言してくれた。

「……」
なんて奴。
ただそれだけのために自分が犠牲になってもいいって言うのか……。
恐怖の様子もなく、いつものように笑みを浮かべて。

……ならば私がする事はただ1つだ。
と言うより始めからそうするつもりではあったが。

「命……ずる……」
令呪に魔力を込める。
しゃべるのも億劫だが、これだけはもたせてくれ。私の身体。

「わた……しの部屋に帰……還し、そのま……また……い……きだ……」
「トー……!」
令呪が光り輝き、ランサーはその場から消え去った。
これでこの場に残るのは私とセイバー、そして遠く離れて敵マスターだけか。

「……なぜサーヴァントを離脱させた。そうなれば貴女を殺すしかなくなると言うのに」
「……」
セイバーの質問に答えようとしたけど、口からは血があふれ出るだけだ。
仕方がない、口だけの動きで判断してもらおうか。

(何、ランサーをそのまま脱落させるのは惜しいと思っただけだ。気まぐれだよ)
「……そうか」
と、セイバーは剣を振り上げた。
それだけの動作だと言うのに洗練されていて、無傷ならばため息をついていただろうに。

「さらばだメイガス」
セイバーが剣を振り下ろす姿が私が見た最後だった。

 その瞬間、私の生命活動は停止した。


   /interlude

「ぐ……!」
ランサーはホテルの一室で拳を地面に叩きつけた。

 彼がいたのは橙子の部屋だ。部屋にはまだ開けてもいないスーツケースが三つあるだけ。肝心の持ち主はこの場にはいない。
そう、彼女は今セイバー達によって今にも殺されようとしている。

「くそぉっ!」
ランサーは自らの無力さに憤っていた。

自分がセイバーを相手に■■の■■さえ■■ていれば、セイバー相手に遅れをとる事はなかっただろう。
敵マスターがあれだけの者だという事は容易に想像できたはずだ。
なら、セイバーのみの時点で決着をつけるべきだったのだ。

 思えば一体どれだけの者が彼のために犠牲になってきただろうか。
彼が■■であり、その■■を■■■ために、どれだけの騎士が、市民が、敵が。
そして今回、彼は自らのマスターを守りぬく事ができなかった。

「なんて、無力」
ぽつりと、彼はつぶやいてベッドに体を横にする。
だが、今彼に後悔の時間など無い事ぐらいは分かっている。

 単独行動スキルのない彼では何もしなくても一時間も現界はしていられまい。
橙子は令呪で自分を逃がしてくれた。
これが意味するものは、新たなマスターを得ろという意味か?

「……無理だな」
ランサーはそんな事をする気は全くなかった。
たった数十分だったが、彼は橙子を気に入ってしまったのだ。
今さら新たなマスターを得てまで聖杯を欲しているのでもない。

 そして、彼と橙子をつなぐラインは切れた。

「なら俺は……」
おとなしくこの場で消滅を待つか、悪あがきをするか。

 ランサーはベッドの上に体を放り投げ、天井を見つめる。
橙子の最後の命令は『部屋に帰還し待機』だった。ならば自分はそれに従おう。
そう思って手で顔を覆おうとし、

「?」
その違和感に気づく。

「『待機』……だと?」
そうだ。何でまた待機命令を出したんだ?
ランサーを生かすためならばあの場を脱出させるだけで十分だったはず。
わざわざ待機命令を出した理由は……。

 と、橙子が持ってきた三つのケースのうちの1つが動き出した。

「は?」
何やら音もするが、何かはさっぱり分からない。
とにかくランサーはそのケースを開けてみる事にした。
その中からは……、

「まっさかいきなり脱落しかけるとはな……」
と言って橙子がでてきた。

interlude out


   /

「ト……トーコ?」
「何だそのハトが豆鉄砲食らったかのような顔は」
ランサーの顔は見ていて愉快だが、そうなるのも当然か。
今ランサーの頭の中ではこれを説明づけようと必死に回転しているのだろう。

「……空間転移?」
「よくみろ」
そう言って私は両手と腕をランサーに見せてやる。
そこにはランサーと契約した証である令呪がどこにもないのだ。
さっき使った令呪は1個目。全てを失っている理由にはならない。

「なら蘇生したとでもいうのか……!」
まあ驚くのも無理はない。死者蘇生なんぞそれこそ魔法のたぐいなのだからな。
だから私は率直な事実を述べてやる。

「私はさっきの蒼崎橙子の代わりだよ、ランサー」
「な……に?」
ふむ、まだ納得いっていないか。

「つまり、これこそ私が人形師と呼ばれるゆえんだ。時計塔で最後に成し遂げた、あと数年も早かったら魔法になっていただろう技術、
 自身と寸分たがわぬ人形を創りあげたんだよ。全く同質のね」
クローン技術がなければ本当に魔法だろうな、これは。
この技術が今魔法になるには「」にたどり着いた存在、つまり青子らでも創る技術が必要だ。
それは現在研究中だ。

「活動していた私が死ねば、新たな私が活動していた私の記憶をそのまま引き継いで活動を始める。『蒼崎橙子』という存在は残るが、
 『さっきの蒼崎橙子』は確かに死んだな。だから令呪は受け継がれない。≒だとでも思ってくれ」
「……」
かなりはぶいた気もするが、まあいい。今は猛烈に煙草が吸いたい気分なんだ。
私はスーツケースから買い置きの煙草を取り出し、マッチで火をつける。
ライターでなくて本当によかった。

「ではトーコは……」
「おっと、これ以上『蒼崎橙子』に関して語る前に確認しておきたい事がある」
そう、私なんぞよりはるかに大切な事があるのだ。
すなわち、ランサーの事だ。

「もはや私とおまえにはつながりなどない。このまま他の者と契約するのも良し、そのまま消滅するのも良し。私を殺そうが自由だぞ。どうする?」
「……」
ランサーは考える時間も無しに笑みを浮かべる。

「俺はトーコを認めたんだ。おまえが『アオザキトーコ』である限り、俺の剣は貴女と共にある」
「そうか」
その言葉は正直嬉しかった。
思わず私も笑みをこぼしてしまった。

 と言うわけでとっとと再契約をしてしまう。再び私の左手には令呪が現れた。
…数が三つのまま? まあ、さっきの私と今の私では別の存在として扱われたんだろうが、別に2つでもかまわなかったんだがな。

「では今後の方針でも決めようか」
「その前に」
ランサーは私の言葉をさえぎってこっちを指差してくる。
そこで私は気づいた。

「……そうだった」
予備の私まで服を着せているわけがない。
つまり、私は今裸体、つまりはだかなわけで。
そんな私にランサーは動揺していない。これはマスターとしては喜ぶべきか、女としては悲しむべきか。


「セイバー組はあの様子だと今後も別行動を取るだろう。単独同士なら各個撃破で十分。問題は組まれた場合だが……」
「それなら安心しろ。単独でももはやセイバーに引けはとるまい」
「そうか、私もこれさえ使えば敵マスターにも遅れはとらないだろうからな」
そう言って私は三つ目のケースを蹴る。

ランサーの述べている事の根拠はおそらく左手にある。
……これからは推測だが、デュランダル発動時の構えからすると左手にもうひとつの武器があると考えられる。
おそらくはそれこそランサーがランサーである所以のはずだ。

ちなみに既に私は着替えずみだ。さっきの私が着ていたのは結構お気に入りだったんだがな……。

「……中身は?」
「イイモノ、とだけ言っておく」
隠す理由などどこにもないが、まあいいだろう。

「トーコ、俺からも提案があるんだが」
「何だ?」
ランサーがまじめな顔をして、こちらの目を見据えてくる。
いったいなんだ?

「これからしばらく当たった敵とは少々戦ってこちら側から逃げないか?」
「なにぃーっ!?」
思わず私は大声を出して立ち上がってしまった。

「……理由があるなら言ってみろ」
何とか高ぶる気持ちを落ち着けて、また座る。

「つまり、さっきのセイバーを倒そうとするなら俺は間違いなく手の内を全部出さないと負けるだろう。序盤からそんな事はしたくない」
「……つまり、強いサーヴァントはこの際後回しで逃亡、弱いサーヴァントを先に倒していくのか?」
「もはやトーコに予備の体はないだろう?」
う、確かに次殺されたら復活地点は自分の工房だ。戻る前にランサーがリタイアしている。

「それにあのセイバー組は間違いなく積極的に敵と交戦するタイプだ。こっちから出て行かなくとも放っておいてサーヴァントの数を減らさせる」
それも確かに。セイバーは言わずと知れた最高のサーヴァント。そして彼女のマスターも戦場を駆ける執行者に近い存在なのだろう。
こちらにしてもサーヴァントは戦いで成長しないし、私も成長しようとは思わない。戦いのメリットが少ないのだ。

「……逃げるか戦うかの基準は?」
「さっきのデュランダルと術だけで仕留められるかどうか、が今の所の基準だな」
……デュランダルや術ならあっさり見せてもいいと言う事か。
ではそれで始末できないものは本当の宝具を使う事のなるのか……?

「いいだろう。しばらくはそれで行く事にするぞ。だがあくまで私が戦えといったら戦ってくれるのか?」
「そうだな、賢明なトーコならその選択を任せられるな」
とまた不敵にランサーは笑ってくる。


 今日はいきなり疲れる事ばかりだったな……。
ランサー召喚、セイバーとの戦闘、挙句の果てに自身の殺害か。
と言ってもこれ以上遅れをとる気は全くないがね。

「ではランサー、改めてだがよろしく頼むぞ」
「ああ、こちらこそよろしく」
私たちは再びがっちりと手を組み合ったのだった。

 当然の事ながら、この後も更なる戦いが私たちを待っていたのだった。




多分続くんじゃないか?


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第3話に続く

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 今回は秩序王の派生による第四次聖杯戦争の話を書いてみました。
で、また終わってないのに長編始めました。
題名は幻橙英雄。当然幻燈機械からのパクリ……もとい、インスパイアです。秩序王とはまた別と考えてください。
ちなみにこの話、『fate/the midnight saga(仮)』よりはるかに戦闘数少ないです。
原因はセイバー組やアーチャー(ギルガメッシュ)、それにライダー(イスカンダル)ががんばってしまうせいで橙子さんたちの出番があまりないせいです。
橙子さんが主人公なので当然空の境界長編扱い。よって『偶発目撃』が終わったら本格的に移行すると思います。
それまでは偶発目撃1.5で幻橙英雄1ぐらいですかね? そうなったらこちらの方もじっくり書いていきたいと思いますけど。

で、第一話から対セイバーとなっています。セイバーも7回未満しか戦っていないのでどうしようかと今でも悩んでいます。考えるのは好きですけど。
…自分は純粋に原作にそった内容なのはどうもギャグしか書けないようです。ネタはあるけど長くなりそうなのでほぼ勢い任せですし。ああ…。

他の作品をないがしろにしてまで書いた理由は単純、橙子さんが書きたかっただけです。それもかなりシリアスの。
主人公は当然の事ながら橙子さんです。サーヴァントは秩序王のままにするつもりは毛頭ありませんので、口調も変えてあります。
てなわけで現在時点では不明のままです。
空の境界の話という扱いにしたいので全六話にしようと思ったら…見事にこれだけ長くなりました。もしかしたら挫折して半分に区切るかもしれません。

ここで扱っている東方正教の聖堂教会は全部自分のでっちあげです。東方正教側がないのはおかしいとは思っていますけど、実際どうなんでしょうね?
教会オリジナルの魔術、つまり洗礼詠唱については失念していました。この点はこちらの不手際ですので、謝罪いたします。
なお、聖霊に関してですけど、…これは変換ミスです。すみません。

さて、次回から更なるバトルが…と言いたい所ですが、そこまでバトルを書きたいとは思っていません。
あくまで2人には日常的なやりとりをしてほしいんです。
てなわけでもう少し後になるまでお待ちください。
  2006年7月16日

 で、今回少し内容変えました。主に誤解を与えかねない表現をあえて削除しました。
例えば第四次聖杯戦争は1992年に起こっているとして話しますが、その時橙子さんは既に協会から離れていたのか、という疑問に当たりました。
自分は空の境界を再度読み『離れていてもおかしくない』と判断しましたが(橙子さんと荒耶&アルバとの写真が1990年以上前、それまで最低3年学院にいた)、 一概にそうとも言い切れないので表現をぼかしました。
他にも怪しい所は修正しました。原作との矛盾があるようでしたらそのつど修正していきたいと思います。
  2006年7月28日第一回修正

 今回は衛宮切嗣に関する記述を完全に変えさせていただきました。これは彼への考え方が一変したせいでもあります。
ですから次の話も変化させようと思いますが、どうかご了承ください。『偶発目撃』も終了しましたので空の境界はこれを書き終えてから進めようと思います。
それでは次の舞台で。
  2006年11月30日 第二回更新


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