題名未定


   /セイバーの場合

「問おうか、おまえがおれのマスターか?」
「違います」
士郎、全力で否定。その間コンマ一秒足らず。
ランサーに命を狙われ、土蔵に入ったのはいいが、士郎とランサーの間に出てきたのは、身長が2メートル近くある屈強な男だった。

「否定はむだだ。おれとおまえとはつながっているのだからな!」
「…やっぱり?」
だってあんたどこかで見た記憶あるぞ。と士郎は思ったが、口に出すほど命は安くない。
だがそんな士郎の思いとは別に、その男は続ける。

「サーヴァントセイバー、おまえに呼ばれてやって来たぞ」
「いや、あんた剣使ってたか?」
俺の記憶が正しかったらあんたボーガンとか石の柱とかは使ったけど剣は使ったことないだろ。と士郎。

「では敵を倒すとするか。強き者とは戦いたいものだからな」
「無視ですか」
セイバーと名のったその人物は士郎の発現を無視してとっとと外へと出て行く。
そこでは槍を構えた貴婦人が苦虫を噛み潰したような顔をしていた。

「何なんじゃ汝は!まさか本当に七人目だったとは…!」
「ふっ、そんなのどうでも良かろう」
「何じゃと?」
「戦士が会いまみえたならやる事はただ1つだろう。ランサーよ」
そう言ってセイバーは体をゆっくりと動かす。
やっぱ剣を使うかけらすらない。

「よくぞ申した!なら余の槍の錆になるがよい!」
ランサーは軽く跳躍すると、その瞬間には士郎の視界に捉えきれないほど高速で動き出す。


「ゲイ・ボルグ!!」


そして、その閃光はセイバーに踊りかかり…

「ふん!」
体がありえない方向に曲がったセイバーに当たらなかった。
槍から発せられた閃光は地面に穴を開ける。

「なら…!」
閃光のように見えたそれは長剣サイズとなり、槍としては手ごろな長さとなる。

「これならどうじゃ…!」
“加速(ヘイスト)”と呼ばれる能力を使い、更にスピードを上げるランサー。
セイバーも全てはかわしきれていないが、穴が開いた箇所はすぐに再生が始まっている。
これでは急所に当たらねば意味がない。

「く…っ!」
「風の流法…」
と、セイバーの体が少し沈み…


「神砂嵐」


それがランサーに襲いかかった。
両腕の間に起こる真空の嵐はさえぎるもの全てを破壊する。

「……ぐぅ……!」
“加速”で絶対射程距離内からは逃れたものの、全部をかわしきる事はできなかったランサーの衣服はボロボロだ。
体も所々裂傷を起こしている。が、致命傷では全くない。

「ほう! あれをかわしたか! ならおまえはこのセイバーと闘う資格がある!」
「残念じゃが今回は偵察が目的であってな、汝と今戦うことはかなわん」
「…そうか」
「じゃが汝とは近いうちに決着をつける事になるじゃろうな!」
そう言うと、ランサーはこの場から消え去った。
その戦いを見ていた士郎は、

「やっぱ剣使ってないじゃん」
と思うのだった。

   /アーチャーの場合

「ちょっと何よこれーっ!」
うがーと怒鳴る凛。部屋の中は完全にめちゃくちゃだ。

「あたた…」
穴の開いた天井の下に、その男は頭をさすりながら起こしてきた。
何か煙草を加えて以外に余裕を感じる。

「……で、あんたがわたしのサーヴァント?」「あんたが俺っちのマスターかい?」
二人の言葉がかぶる。
しばしの静寂。

「…んー、多分俺っちはあんたのサーヴァントで会ってるとおもうけど?」
「そう…」
とりあえず凛、ほっとする。召喚は失敗ではなかったようだ。

「じゃああんた何者よ?」
「それはこれを見てくれれば分かるさ」
そう言うと男は何かを凛に放り投げる。
受け取ったそれを眺める凛。

「…筒?」
「スイッチ押してって」
「スイッチ?」
と、いきなり筒から光の刃が出現する。
それは剣そのものだった。

「それで? あんたの正体は?」
「え? それ見て分からないかい?」
「ルーク・スカイウォーカーなんて言ったらぶっ殺すからね」
「ライトセイバーじゃないさ! それは莫耶!」
「はあ?」
思いっきりバカにしたような言い方で聞き返す。

「干将・莫耶って言ったら春秋時代よ! どこの時代でこんなパチモンライトセイバー作れるのよ!」
「仙人ならそれが可能さ」
「仙人ー?」
そもそも干将・莫耶を使った英霊など聞いた事がない。持ち主はあまり有名では…。

「あ」
「分かったさ?」
「莫耶の方だけならあの人物が使ってたわね…。そう言えばそうだわ」
これは結構いいカード引いたかもと思わずガッツポーズをする。

「じゃあクラスはセイバーで決定ね」
「いや、なぜか俺っちはアーチャーさ」
「はあ? あの人物が何でアーチャーなのよ?」
「…多分これのせいさ」
取り出したのは先ほどよりはるかに小さい筒。ボールペンをちょっと太くしたぐらいだ。

「鑚心釘って言うんだけど、投げるものだから、これが引っかかったんじゃないかと」
「…まあ、でもあなたはセイバーに限りなく近いのね?」
「それは確信してもいいさ。俺っちは接近戦が大得意だから、期待してくれさ」
「うん、じゃあ期待させてもらうわね」

 その後、アーチャーが部屋の片づけを言い渡されたのは言うまでもない。

   /ランサーの場合

「ランサー、今推参した」
しばし呆然とするバゼット。
おかしい。触媒はちゃんと用意したから、彼が出てくるはずなのだが?
あの憧れていた英雄に。
今目の前にいるのは貴婦人、という表現が正しいほどの麗人だ。
が、その凛とした顔からは闘うものの覇気を感じる。
   トヴァラシュ
「我が相棒、と呼んでもかまいませぬか?」
「え? ええ…」
困惑するバゼットはまともに取り合おうとしない。

「いや、今はまだ時期相応、やはりマスターとよばさせていただこう。余の正体うんぬんより重要なのは実力だと思うが?」
「そ、そうですね」
今はなぜ彼を呼び出せなかったかより、呼び出した彼女はどうかと言う事だ。
で、用意したのはある程度の防御が備わった金属の板。
ランサーはそれを瞬く間に全て貫く。

バゼットが驚いたのはもちろん武器もそうだ。現代科学ではまず実現不可能(理論では可能だけど)の最先端武器を使っている。
だが、ランサー自身のその動きも人間のそれをはるかに超えている。
抱かせるのは、死徒。

「す…すごい…」
「“加速(ヘイスト)”を使えばもっと早くなるが、今はこれで十分じゃな。ご満足いただけたかな?」
「そ、そうですね。確かに実力は申し分ないと思います」
これより更に速くなるのか。これはあたらざるも遠からず、か?

「ところでその武器ですが、一体何なのですか?」
「ゲイ・ボルグと言う。我らの武器は皆旧時代から名を拝借したと聞くのでな」
「ゲイ・ボルグ」
ランサーの言葉をそのまま繰り返すバゼット。
少しばかり運命を感じた。

 ちなみに言峰は親しきものに裏切られた経験のあるランサーによってあっさり看破されてしまったとさ。

   /キャスター

「無理です。ごめんなさい」
とある魔術師(仮にKとでも)はあっさりと土下座した。
それはもう自分のサーヴァントと付き合えないと確信したからだ。

 実力はKの思った以上。その能力も。
が、その性格や性質までもKの予想をはるかに超えていた。

「おや、どうしましたか黒魔術師殿?」
「インフェルノブラスト(やたらとかっこよく)!」
いきなり背後に現れた自らのサーヴァントをKは炎の魔術で消し飛ばす。

「お戯れを」
「ひいいっ!」
なのに無傷で横に出現する。確実に魔術は直撃したはずなのに。
しかも服までこげすらない。

「さて、これから人生を幸せに生きる方法でもお考えになられますか?」
「こんな令呪破棄破棄破棄ーっ!」
『自分とは今後一切関わるな』との命令を3重にかけてKは逃走した。
逃走おぶざ逃走だ。

「どうした?」
と、声をかけてくるのは葛木。

「いえ、わたしが仕えていた人がそれはスーパーの激安売り場に殺到する主婦をバックにしたかのように走り去ったので」
「では私の家に来るか?」
「それはあなたに感謝せねばなりませんな。方法は185通りありますが、わたしがおすすめするのは…」
「困ったものを助けるのは当然の事だ。気にするな」
「そうですか」
こうしてサーヴァントキャスターは葛木に招かれ、新たな主人を得た。

 後日、一成が胃潰瘍で入院したとかしないとか。

   /アサシンの場合

「それで、護衛の件はご了承いただけましたか?」
「ふっ、拙者に任せておれば何者であろうとも突破はできないはず」
その人物、アサシンは不敵に笑う。
キャスターは神妙な顔をしている。

「ですが1つ残念な事が」
「残念な事?」
「若い男性のご用意ができませんでした」
「拙者はそのような趣味はござらん!」
全力で否定するアサシン。血の涙まで流してます。

「では?」
「それはもちろん若いおなごに決まっておるではないか! この世界に呼び出された以上、それをぜひ満喫せねばな!」
「左様で」
「俺の日常はどこにー…」
なにやら奥の方では一成がうんうんうなっている。

「では拙者は早速行って来るからな!」
てなわけで門の縛り設定はどこへやら、アサシンは寺を後にした。


「と言う訳でお茶でもどうかな?」
「お断りします」

「お茶でも…」
「お断りよ」

「お茶…」
「お断りいたしますね」


「と言う訳だ。現代のおなごは冷たい」
ちなみに最初がバゼット(返事は右ストレート付き)、次が凛(ガントのおまけあり)、最後に桜(にっこり笑顔で)だ。

「…それはアプローチの仕方がいただけなかったかと。これをこうすれば…」
「おお、そうかそうか!」
「…うう、衛宮、助けてくれ…」
頭をかかえる一成はいずこに?

   /バーサーカーの場合

「それじゃあやっちゃって、バーサーカー!」
イリヤはそうバーサーカーに命令する。
士郎たちの前に現れたのは…。

「へ?」
「うそ…!」
思わず2人は驚愕の声を漏らした。
出てきたのは明らかに2人が見たことある侍だった。
あの20代後半なのに童顔な。

「わたしあれリアルタイムで見てたのよ!」
「俺だって慎二から単行本借りた事あるぞ! まさか本物に会えるなんて!」
感動する2人をよそに、バーサーカーはセイバーと闘う。
力はセイバーの方が圧倒的だが、スピードはバーサーカーの方が上だ。
攻撃はバーサーカーの方が当たっているが、剣のはずなのに斬れていない。

「あー、やっぱり不殺は貫くのか」
「信念としてはいいでしょうけど、サーヴァントとしてはどうなの?」
凛の発言に、イリヤは視線をそらすしかできない。

「飛天御剣流・龍巻閃・凧! 旋! 嵐!」

 神速抜刀術はセイバーを確実に捉える。
とらえはするが、ひるむだけでダメージはない。

「逆刃刀ではおれは殺せないぞ!」
「殺す必要はないでござる」
「本当にござる口調ダー!」
セイバーとバーサーカーのシリアスな会話をよそに、士郎たちはもう感動しまくりだ。
また2人は戦いだす。
そして…


「飛天御剣流・九頭龍閃」


九つの斬撃がセイバーに襲いかかる。
さすがにかわしきれない上にどれもが必殺の一撃だ。セイバーはその場で倒れる。

「やっぱああいうのをセイバーって言うんだよな…」
「本当、彼がセイバーだったらうちのがアーチャーなのも納得いったのよね」
セイバーが倒れたのにほとんど他人事の2人。
士郎は特にその剣技に感動してます。もう将来目指す方向が決まった瞬間であった。

   /前アーチャーの場合

「さて、そろそろ動いてもらうぞ」
「分かった」

「ランサーの捕獲に失敗していささか予定が狂ったとも思ったが…、どうやらそうでもなかったらしい」
「そうか」

「生まれてくる者は祝福せねばな」
「そうだな」

「…アーチャーよ」
「何だ?」

「ギャグ漫画のはずなのになぜおまえはそうなんだ?」
「起こす方ではなくて乗る方だからな」

「その頭でか?」
「……」

「そうか…」
「…」

「ところで…」
「何だ?」

「食うか? このマーボ」
「いただく」

   /ライダーの場合

「サーヴァントライダー、呼ばれてやってきたよ」
召喚の陣の中央でそう述べたのはいかにも華奢な女性だった。
慎二は口笛を吹き、臓硯はカカカと笑う。が、召喚した本人、桜の顔は疲労でいっぱいだった。

「じゃあ桜、こいつは僕のサーヴァントにさせてもらうからな。早くしろよ」
「…はい…」
そんな桜と慎二の会話をよそに、三人を見回したライダーは桜の方に近づいていく。

「桜、と呼ばさせてもらうよ、あなたにやりたい事があるんだけど、いいかしら?」
「え?」
いきなりこう言われるのは予想外だった。間の抜けた返事をしてしまう桜。

「い…一体何でしょうか…?」
「タメ口でいいよ。あたしもタメ口だし」
ライダーは桜をささえて、とにかく座らせる。

「おいライダー! 僕を無視していいと思って…」
「うるさいよちょっと」
慎二、裏拳で撃沈。

「少し不快になるかもしれないけど、あなたのためだから、いいかしら?」
「え…、ええ…」
こくりとうなづく桜。この展開もやっぱり予想の範囲外。
と、


ライダーの手が桜の腹部にめりこんだ。


「「なっ!」」
慎二と臓硯の声がかぶる。
まだライダーは桜のサーヴァント、そのサーヴァントがいきなり桜を殺すだなんて慎二にも考えられなかった。
一方の臓硯は桜が殺されては身も蓋もない。自分の計画が全て水の泡だ。
が、ライダーの手が光り輝く。

 リ・ジェクト
「排気光」


そして、ライダーの手が引き抜かれる。
桜は気が動転していた。
ライダーの手は確実に心臓付近を捉えていた。しかも確実に皮膚を、肉を貫いていたはず。
なのに全くダメージがない。これは一体?

 と、ライダーが引き抜いた手に持っていたのは、蟲だった。
それをライダーはいとも簡単に握りつぶす。

「さ、続けるよ」
「させるものか」
と、どこからかライダーの数メートルまでに蟲の大群がうごめいている。

「桜はマキリの悲願、お主ごときに邪魔をされてなるものか」
「あっそう? あたしには全く関係のない事ね。あんたの野望よりこの娘の方がずっと大事」
そう言うとライダーは錫杖を高々と上げた。
そして…。

 エア・ヴァンプ
「吸気腔」


全ての蟲はその生を吸われて枯れ果てた。臓硯もまたしかり。

「殺しちゃいないわ。あんたみたいなやつでも、この娘の肉親だし」
そう言いながらもライダーは次々と刻印蟲を桜の体から抜き取っていき、潰していく。

「桜だっけ? あなたがどんなめにあってきたのかは分からないけど、夢は夢で終わらしちゃダメだからね」
「…はい」
そう返事した桜は笑顔だった。

 追伸、慎二はライダーに頭が全く上がらなかった事は当然である。

これにて終了


サーヴァントデータ

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 色々なサイトが様々なサーヴァント召喚パターンを取っています。自分はそんな中、宝具という共通点のみで当てはめてみました。

セイバー:『インビジブル・エア』→『インビジブル・エア』
エクスカリバーにしなかったのはただのひねりです。当初はエクスカリバーでシュラにしようとかも考えてました。で、エクスカリバーで いいキャラが見つからないので、他のを探ってみたらインビジブル・エアで思いついたのが彼でした。その間数秒。

ランサー:『ゲイボルグ』→『ゲイ・ボルグの槍』
これは一番最初に考えたので、全く違和感がないです。でも言峰のサーヴァントになる姿が想像できない…。

アーチャー:『干将・莫耶』→『莫耶の宝剣』
UBWやローアイアスで考えつくのは無理でした(爆)。これはオーソドックスだったかなと。

キャスター:『ルール・ブレイカー』→『ルール・ブレイカー』
世界のルールを捻じ曲げる。と考えたら自然と彼に行き着きました。わりとこじつけっぽいです。

アサシン:『ツバメ返し』→『ツバメ返し』
同じ小次郎だから配役に違和感なし。が、マスターがキャスター、つまり男性だから意欲は激減してるかも。

バーサーカー:『ナインライヴズ』→『九頭龍閃』
またしても苦肉の策。始めはゴッドハンドでベルセルクのグリフィスあたりにしようかとも考えてましたけど、ネタが浮かばない…。

前アーチャー:『ゲート・オブ・バビロン』→『バビロン真拳』
ごめんなさい。バビロンとしたらこれしか思い浮かびませんでした。Vガンダムでもよかったけどあまり詳しくないし。

ライダー:特になし
石化能力がピッタリだった事と、『ブラッドフォート・アンドロメダ』→『エア・ヴァンプ』が似ている事、そして真っ先に桜が救える 事で決定。一応黒化後も考えておきましたが、まずそうなる事はないと思います。

ちなみに真アサシンとアヴェンジャーは全く思い浮かびませんでした。てゆうかザバーニーヤとかヴェルグ・アヴェスターから 思い浮かぶ人いますか?

ちなみにこれ1日で書き上げてます。自分の事ながら頭が痛くなってきます…。では。
  2006年6月24日


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