ますたーのゆううつ

だいきゅうわ


「ちょっと!これどうにかしなさいよ!」
「んー、そう言われてもねー」
「これなら今回楽勝じゃない?」
「姉さん、油断は禁物ですよ」
エーデルフェルト(姉)は自分の作ったおにぎりを食べながら余裕と言った表情を浮かべた。
エーデルフェルト(妹)は姉の作ったおにぎりをほそぼそと食べながら、目の前の光景を眺める。

 戦っているのは4人。
2人は自分たちのサーヴァントであるセイバーズ、そして相手は敵サーヴァントのキャスターとそのマスターだった。
はっきり言って、戦いは一方的にセイバーズが押していた。

「あんたキャスターなんでしょ!だったら魔術でパパーッと倒しちゃいなさい!」
「僕は術は不得意なんだけど」
望は宝石魔術でかろうじてしのいでいるし、キャスターは印をむすんで術を使用している。
ほとんど防戦一方で、逃げる隙をうかがっているだけだ。

「だったら宝具使いなさい!そのためのモノでしょう!」
「…意味ないけど、いいの?」
「いいからはやく!」
「はいはい…」
うがーと怒鳴る望に呆れながらもキャスターは上空の方を見る。
そのキャスターを見て、セイバーズの顔が変わった。

「マスター」
「ええ、分かってるわ」
エーデルフェルト(姉)の顔がしまっている。
だが、キャスターに集まっている魔力は尋常ではない。

「セイバー、宝具を使いなさい。一気に殲滅するわよ」
「心得た」
セイバー(黒)が自らの剣に魔力を集めだす。

「私たちはどうしますか?」
「そうね…、姉さんたちに協力して」
「分かりました」
セイバー(白)も自らの剣に魔力を集める。
そして…、


「宝貝・太極図」
  テ  ィ  ル  フ  ィ  ン  グ
「全てに破滅を呼びし魔剣!!」
  テ  ィ  ル  フ  ィ  ン  グ
「全てに悲劇を呼びし魔剣!!」


何も起きなかった。
変わったといったら上空に紋章があるだけで、それ以外には風が吹くとかしかしていない。

「「な…っ!」」
が、セイバーズの顔は驚愕に彩られていた。
エーデルフェルト姉妹も唖然とする。

「さ、マスター。逃げようか」
「え? うん、そうね」
その間にキャスターと望は通常のスピードで走り去って行った。
残されたのはエーデルフェルト姉妹とセイバーのみ。

「ちょ…ちょっと!どういう事よ!」
最初に口を開いたのは姉だった。

「わたしはあんたに「宝具を使え」って言ったのよ!それとも令呪使わなきゃ使えないの!?」
「姉さん」
「全く…、これじゃあセイバー引いても全く意味がない…」
「姉さん!」
姉の愚痴は妹の厳しい口調に止められる。
びくっとした姉は妹をにらみつけた。

「セイバー達に何もとがめる点はありません」
「でも宝具を…!」
「ですから、あれを」
そう言って妹は上空を指差した。
そこにあるのは漢字とそれを崩したもので書かれた紋章。そして、中央には○があり、その中に白と黒がある。
姉妹が見ている間に、それは消え去った。

「おそらくあれが…」


「僕の宝具だよ」
「何も起こらないことが?」
望は半分バカにしたような口調でキャスターを睨む。
自分たちが敵前逃亡した事に腹を立てながら。

「太極図は万物の根源を表すものであり、君たち風に言うなら「」そのものなんだ」
「うそ…!」
思わず望は口を押さえる。
「」は魔術師ならば誰もが目指すものであり、それを手にしたものは指を折るほどしかいない。

「まあ、詳しく言う必要はないよね。魔術師だし」
「…そうね」
「で、話を続けるけど、だから太極図はあらゆる物の設計図が記されていて、僕はそれを引き出しているんだ」
「あらゆる物って…?」
キャスターは身振り手振りで話すことに。

「家はどうできてるとか、この木はどうできてるとか、そして宝具がどうできてるとか。その設計図を引き出して、その宝具を無効化してるんだよ」
「宝具を無効化って…それ最強じゃない!」
「だから威力がEXなんじゃないかな? でも僕に行使できるのはそれだけ」
とあっさり言いながら座り込んでしまう。

「もっと別の使い方もあるみたいだけど。例えば設計図を引き出して宝具を作る事とか?」
そんなの贋作の達人でも無理だと思うけど、と付け加えるキャスター。

「それと世界を表す設計図だから、始まりからあったものは設計図がないし、無効化できないけどね」
「始まりのもの…ってそんなのあったっけ?」
「さあ? 僕は知らないけど」

「ねえ、1つ聞いていいかな…?」
「どうぞ」
「無効化できても相手はサーヴァント、あんた勝てるの?」
「戦闘力は皆無だって言ったでしょ? マスター任せ」
「ふざけるんじゃなーいっ!」
望のアッパーがキャスターを数メートルは上空に飛ばした。

「どこの世界にマスター任せのサーヴァントがいるのよ!」
「じゃあ太極図から宝具作れるの? 傾世元禳あたりがあればすっごく楽なんだけど」
「大体あんた雷公鞭持ってないの!? あれ元々あんたのでしょう!」
「持ってない」
がくっと望は地にひざを落とした。

「宝具なんてつくれるはずないじゃないのよ…」
「ふう…それなら…」
「え…?」


「宝石剣でも作ってみる?」


「はい?」

「あれだってモノなんだから、設計図だけならあるけど?」
「うそ…!早く出しなさいよ!」
「じゃあ…」
と言ってキャスターは球体を望に手渡す。

「これ何よ?」
「太極図。設計図を見るには自分で宝具起動させるしかないから、がんばってねー」
「それじゃあ意味ないじゃないのよーっ!」
望の絶叫が町の中を響き渡った。

続く…かもしれないし続かないかもしれない。


つづく

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 宝具

 『太極図』

 ランク:EX  種別:対界宝具  レンジ:1〜99  最大補足:レンジ内ならいくらでも(敵味方問わず)

 全ての物の設計図を引き出し、それを解析する事で無効化する。特に限定条件はなく、ある意味最高の宝具である。
 また、設計図を使用する事でそのものの作成が可能だが、それには道具作成スキルが必要で、宝具のランクに応じたランクが必要。
 キャスター自身はDなのでこれはほとんど役にたたない。そして始まりからあったもの(乖離剣エアのようなもの)は設計図がないので不可能。

 てなわけで宝具の性能判明。これだけ見てるとかなりオイシイものではありますが、キャスターはそれ以外の戦闘手段を持っていません。
よって最弱なままだったりします。士郎が太極図を解析したらとんでもない事になるだろうなーとか思っていたり。

 ところで、第三回ってアサシンもいたようですけど、あえて外しています。理由はギャグにしづらいから(マテー)。
第四回を書く事になってもアサシンは入れないと思います。こっちの方はれっきとした理由がありますけど。

 それでは。
  2006年6月19日


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